食事以外で免疫力を上げる方法~不調を感じた時に使える優れモノ

栄養・睡眠・運動などに気をつけていても、風邪をひいたり、
夏バテや冷え症、更年期などの症状が出る時もあるかと思います。
▲小皿にのった「ヨクイニン」は、ハトムギの皮を除いた種で、漢方薬の原料▲
例えば、私は風邪をひいたかも…と思った時には、漢方薬を飲みます。
漢方薬も薬なので、副作用がない訳ではありませんが
化学成分を抽出し合成した西洋薬と比べ、植物や鉱石などを利用した
漢方薬の方が身体に安心だと思います。
夏バテや冷え、のぼせなどの更年期症状などは、
西洋医学では病名がつけづらく、漢方薬のほうが得意な分野です。
西洋医学では症状に対して薬を出すのに対し、
漢方薬では、個々の患者の「証」を見極めて、最適な薬を出します。
漢方薬を出す場合は、まず体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの
個人差を「証」として診断します。
◆証(しょう)とは?
証を大まかに説明すると
体力がなくて弱々しい
「虚証(きょしょう)」と
体力があって胃腸も強い
「実証(じっしょう)」があります。
同じ風邪でも、証が違うと違う薬が出されます。
風邪初期だとドラッグストアで買った「葛根湯」を飲みがちですが、
ご自身が葛根湯の証でないと、効果はあまり期待できないかもしれません。
葛根湯は実証向けの薬なので虚証の方が飲むと、お腹を壊すことも💦
漢方薬を効果的に服用するには症状にもよりますが、
医師に相談した方がいい場合もあります。
ただし、医師でも漢方に疎い先生もいるのが現状です。
漢方を扱える医師かどうか、その病院のホームページなどで確認しましょう。
漢方医の資格を持っているか、
漢方の学会や医会に所属している先生であれば、より安心かと思います。
漢方薬にしろ、サプリや食材にしろ、身体に安心と言われる自然由来の物でも、
口に入れる(=体内)ものは、本当に自分に合っているのか、注意して飲む必要があります!!
ただし漢方には長年飲まれてきたという歴史があるので、
自分にさえ合っていれば本当に役立つ機会を多く感じるでしょう。
本当に合う物ならば、より良い効果を発揮するので、よく考えて使うこと、
また続けることが本当に効果的かどうか、しっかり見極めながら使いましょう!
◆漢方ってどこのもの?
漢方は、古代の中国医学として伝わったものを日本の医師が研鑽を重ね、
日本流にアレンジした伝統医学です。
東洋医学とも呼ばれます。
(中国語では、東洋は日本という意味もあります。)
日本人の得意な「元々は他国の物でも良い物なら、すんなり受け入れ、
さらによりよい物へと進化させる」という成果が漢方にもあらわれています。
ですから、漢方は、中国で受け継がれた伝統医学「中医学」とは異なります!
その証拠に、漢方薬には、中国にない薬も多くあります。
たとえば、漢方薬「ヨクイニン」のようなわりと有名な薬が中国にはありません。
日本の漢方=中国と考えて、使わないのはもったいないと思います!
さて、中国だけでなく、韓国やインド、スリランカなど
アジア諸国には、その国に根ざした伝統医療というものがあります。
伝統医療があるアジアでは、たいてい現代医学(西洋医学)の
医師とは別に、伝統医療の専門資格があります。
例えば、中国では
西洋医学を担当する医師(西医)と
中国医学を担当する医師(中医)では、
教育機関が分かれています。
中国でも、両方を使える医師が最近では増えていますが
まだまだ、医師にかかるとなると西医か中医か、に分かれます。
日本の良い所は、医師免許という1つの資格を持った医師が、
西洋薬も漢方薬も処方できることです。
それにより、西洋薬と漢方のいいとこどりができるのがメリットです。
西洋的な診方で、病気の症状だけを見るのではなく、
漢方では、からだ全体を診ます。
その点で、オーダーメイドな治療ができる漢方の方が西洋薬より、
症状の改善が早い場合があります。
漢方薬は長期に飲まないと治らないという固定観念がある方も
多いですが、わりとすぐに効果が出る場合もあります。
また、外科手術を受けた後に漢方でからだの全体の調子をあげていく、
といった治療もなされています。
世界的にも、伝統医学を現代の医療システムに取り入れて、
統合的な診療を進めることが潮流になりつつあります。
外科的な治療は別として、漢方を必要に応じて、
うまく使うと、免疫力を上げる大きな助けにもなります♪
特に、風邪の初期症状には漢方薬に軍配が上がると思います。
ぜひ、食わず嫌いならぬ、使わず嫌いにならずに、有効活用してみましょう。